Photographer: Shiwori

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朝日新聞朝刊(神奈川版)に ShiworiPhotographyの保育園向け写真の撮り方講座の取り組みが取り上げられました。

■保育士さん 多芸に
専門家が手ほどき
 子どもへの接し方のほかにも、さまざまな知識や技術が求められる保育士。
専門家の手ほどきを受けてユニークな研修を受ける様子を、のぞいてみた。

 武蔵小杉(川崎市中原区)も保育園で3月、保育士向けの「プロカメラマンによる写真の撮り方講座」が開かれた。講師は片山しをりさん(29)。子どもを専門に撮る写真家で、生まれたばかりの新生児を撮影する「ニューボーンフォト」の国内第一人者だ。
 コンパクトカメラを手に集まった約60人を前に、片山さんは「ヨコだけでなく縦位置も」「動きのあるシーンを連続で」「先生が一緒に写るのもいい思い出になる」などと説明。自らの作品を示しながら、記念写真にとどまらず、子どもたちの生き生きとした表情を捉えるコツを伝授した。
 技術的なアドバイスを終えた片山さんは「保育士さんだからこそ立ち会える瞬間、見られる表情があります。それを残したい、伝えたいという気持ちが写真を変えます」と締めくくった。熱心にメモを取った保育士たちは手を止め、静かにうなづいていた。
 講座を実施したのは、首都圏を中心に100カ所以上の保育園を展開する業界大手の日本保育サービス(本社・名古屋市)。卒園時にアルバムを贈っているが、保護者からは「園内のふだんの様子を知りたい」という要望もあり、撮影技術の向上を目指して2月から写真講座を始めた。全職員約1,100人が受講する予定だ。

 受講者からは「今まで笑顔ばかりを狙っていたが、自然な表情を写し取りたいと思った」などの感想が寄せられているという。
 県内で10カ所の保育施設を運営しているポピンズ(本社・東京都渋谷区)では、新入社員研修に乳幼児の応急手当や心肺蘇生の講習を取り入れている。
 「息を軽く吹き込んだら、口を離して。ふー、ぱっ。ふー、ぱっ。はい、圧迫いきまーす」。0歳児を模した人形を相手に心肺蘇生の手順を繰り返す。1分間に100回のリズムを刻むピッピッという音に合わせて心臓マッサージを30回。続けて人工呼吸を2回。また心臓マッサージ……。

 3サイクルも繰り返すと息が上がり、手のひらが擦りむける受講者も。「救急隊に引き継ぐまで、これが唯一できることです。中断せずに続けなければなりません」。乳幼児の応急手当インストラクター・彦坂康朗さんが強調する。
 研修を受けた伊東彩佳さん(19)は教わったようにすぐには動けないかもしれないけど、とにかく助けなきゃという意識はできました」と引き締めていた。
 ポピンズでは発達心理学や脳科学に基づいた研修のほか、イギリスやアメリカのべビーシッター養成校での海外研修なども行っている。担当者は「民間企業だからこそ、保護者の信頼を得るために保育の質が問われる。科学的な根拠に基づいた研修で質を高めたい」と話している。

 (菊池康全)

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